お茶の間ブログ

労働関係を中心にゆるゆるとつぶやいていきます。

「ブラック」とはなんぞや

12月2日放送の深層NEWSのブラックバイト特集を見ました。バーでバイトをしていた学生が40日連続きんむをさせられたり店舗の赤字分を補填させられたり、あるいは塾講師の学生アルバイトが90分の授業分しか賃金がでないといった学生アルバイトの被害事例が紹介されていました。

 

しかしひとつ気になったのは、ブラックバイトに高齢者の事例が含まれていたことです。

 

 

ブラックバイト問題を提唱してきた中京大学の大内裕和教授はブラックバイトを

 

学生であることを尊重しないアルバイトのこと。フリーターの増加や非正規雇用労働の基幹化が進む中で登場した。低賃金であるにもかかわらず、正規雇用労働者並みの義務やノルマを課されたり、学生生活に支障をきたすほどの重労働を強いられることが多い。

 

と定義しています。

 

この定義によると、高齢者は (ほとんどの場合) 「学生」ではないので、ブラックバイト問題に含めるべきではないでしょう。

 

ブラック企業問題もそうですが、「良くないもの」全てを「ブラック」の対象にしてしまうと問題点がぼやけて、結局なんの対策も打てなくなってしまいます。

 

ブラック企業も主に新卒の正社員をターゲットとした「若者の使い捨て」問題であったはずです。

 

ブラック企業は約20年かけて社会が育ててきた人材を数ヶ月〜数年で使い潰すものであること、ブラックバイトは社会的に有為な人材の育成そのものを妨げるものであること。

 

これらを踏まえると、「ブラック」とは「社会資源の食いつぶし」や「フリーライド」の意味で用いられるべき概念であって、「良くないもの」全般で用いることは不適切ではないかとお思います。